どうして?「相手の胸に投げる」が基本だったのか?

「相手の胸に投げよう」は、もう基本じゃないかもしれない。
こんにちは!
ヒーローズの動きの調律師こと
伊藤ヒロイチです⚾️
今日から暑くなりそうですね〜☀️
親も子も熱中症対策万全で練習しましょう!
練習する時にまずやるのは
やっぱりキャッチボールよね
キャッチボールの時に
たいがいのコーチが
「相手の胸に向かって投げよう!」
って言ってるのを聴いたことが
一度はあるんじゃないかと思うんよ
僕も小学生の頃にそう教わったし
僕も子どもにそう伝えたことがあります
ヒーローズに初めて来る子に
「キャッチボールの基本って何って教わった?」
と聞いたら、ほぼ100%の子が
「相手の胸に投げることです」
って答えるんよ
でもね。
今の野球の視点でよくよく考えてみると
それって本当に正解なん?
っというのが今日のお話です⚾️
「胸に投げる」がかえってプレーを難しくする場面
たとえば——
・外野から内野への中継プレーだったら
中継の線上に人が立ってるのに
「相手の胸」にボールがいってしまうと
かえってプレーしにくくなるし・・・
たとえば——
・内野ゴロを処理して一塁へ送球する場面だったら
一塁手は胸の前でボールを待つより
遠くへ手を伸ばした位置=左手のグラブ側
で捕れた方がタイミングが早いし
アウトも取りやすい。
さらに大事なのがここ。
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ランナーは「左側」からやってくる!
ベースランニングは反時計回りだから
フォースプレーもタッチプレーも
ランナーは捕る人の左側からやってくる
ことが圧倒的に多い
だから、投げる側は胸ではなく
捕る人の左側に投げてあげた方が
次のプレーがスムーズなるんよ!
ここを理解してキャッチボールをするだけで
実戦での動きがぐっと洗練されてくるよ!
「胸に投げろ」には時代背景があった
では、なぜ「相手の胸に投げる」が
これほど長きにわたって「基本中の基本」
と言われてきたんじゃろうか?
実はここに、道具の進化という
大きなヒントがあるんよ!
昔のグローブやミットは
今のようにボールを掴む構造ではなく
小さなクッションのような道具だった
こんなん
↓↓↓↓↓

だから、しっかり捕球するためには
両手でキャッチするしかなかった。
投げる方も味方が取りやすいように
「相手の胸」を狙ってあげる必要があった
つまり「胸に投げろ」は、
昔のグローブに適応した技術なんよ!!!
そして、これを延々とまるで常識のように
続けてきたのが指導者の怠慢だと思うんよ
(※個人的には『チコちゃんに叱られる』
でぜひ取り上げてほしい)
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これは僕の仮説ではあるけど
ズレてはないと思うので、
指導者の皆さんと
ぜひディスカッションしたい⚾️
「斜め投げ」の落とし穴
手に持ったボールを
相手の胸に投げようとすると
体を無理にひねったり
ボールを“ナナメ”に投げようとする子が
増えてしまうのは自然なこと・・・・
じゃけど!そうすると、
- 肩や肘を痛める
- ボールがスライド回転する
- お辞儀するような軌道になる
- コントロールが効かなくなる
- フォームが崩れて、結局自信も失う
っと、そんなことになるんよ
実際にこうした悩み相談は
ヒーローズにも毎週のように
届いているんよ
ヒーローズのキャッチボールの基本
ヒーローズでは
今こう教えています
相手の真ん中ではなく
相手の左側(自分から見たら右側)
に投げましょう!
正しい動きで、自分の体にとって
自然なラインで投げること。
その結果、ボールはグローブ側(=相手の左側)
へまっすぐ飛んでいくようになります。
<ただし・・・>
左投げがベースに投げる時と
ピッチャーはナナメに投げる
必要があるから
より一層の注意を払って
アドバイスしてあげる必要があるよ!!!
「基本」という言葉に縛られず、理にかなった動きを
昔の「当たり前」は、
時代と共にアップデートされるべき。
「相手の胸に投げろ」は
道具が今とは違っていたからこそ
生まれたその時代なりの解。
でも今は、
捕りやすい道具があるからこそ
動きも指導も進化していいはずなんよ
これからも、子どもたちが
「ケガなく」「迷わず」「気持ちよく」
成長していけるように、
ヒーローズは“理にかなった基本”
を伝えていきますよ〜!